毎日を心地よく過ごすためには、自分のライフスタイルを見つめ直してみるのもひとつの手。Curel MEMBERSHIPでは、食や暮らしなどの視点から、あなたがより自分らしく前向きに過ごせるtipsをお届けします。
質の高い睡眠をとるため、睡眠コンサルタントの友野さんにお話をうかがっているこのコラムも3回目、今回で最終回です。
Vol.1は「睡眠が大切なのか」、Vol.2は「理想的な睡眠をとるために心がけたいこと」についてのお話でした。さっそく実践された方は、少しでも違いを感じられていますか?
「まだ変化がない」「もっと詳しく知りたい」という人のために、今回は、友野さんの実体験も交えながら、より具体的な方法をご紹介します。
<監修者プロフィール>
順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程修士。株式会社SEA Trinity代表取締役。重度のパニック障害をきっかけに睡眠を改善、症状を克服したほか、ダイエットや体質改善にも成功し睡眠を専門的に研究するように。現在は講演活動や企業の商品開発、各種媒体など、幅広く活躍。
まず、寝る部屋の環境作りから。寝室にテレビやパソコンなどを置いたり、スマートフォンを持ち込んだりしていませんか? 熟睡感を得るためには、眠りに集中できる空間作りが不可欠です。ご家庭の事情もあるかと思いますが、もし可能であれば、寝室にはベット以外のものを置かず、寝るだけの場所と決めてください。
寝具の中で必ず使って欲しいアイテムは枕。枕は頭のためでなく、首のくぼみを埋めるためのものなんです。もし枕を使わないで眠ると、後頭部の1点で頭〜首までを支える状態になり、不快感で夜中に目が覚めてしまう場合も。首や肩凝りの原因になることもあります。理想の高さは、起きている姿と同じ角度。体格が良くて背中に筋肉のついた男性はやや高め、女性なら低めを目安にしてください。硬さは、頭が20%程度沈み込むのが理想です。
なお、寝入りばなの姿勢を気にする人も多いですが、あまり思い悩む必要はありません。誰でも無意識に1晩で20〜30回は寝返りを打ちます。無理な姿勢で我慢した結果なかなか寝付けないより、安心する体制で早く眠りにつくことのほうがずっと大切です。
さらに気を配って欲しいのは寝室の光。一説によると寝てる間にわずかな光でもついていると、肥満率やうつ病のリスクが2倍程度高くなるそう。小さい子どもがいる我が家では、コンセントに差し込むタイプの照明を寝室から廊下に設置。センサーモードにして、人が動いたら自動でつくようにしています。
朝は太陽の光で目覚めたいから、アプリと連動させて自動で開くカーテンも取り入れています。その他眠る時の服装は、パジャマが定番。パジャマは睡眠中の体の動きが考慮して作られているから、スウェットなどの普段着より圧倒的に楽なんです。
眠る前には水分補給も忘れずに。夜中に起きることを気にして水分摂取を控える人も多いですが、就寝中は寝汗をかくだけでなく、呼吸からも水分が蒸発していきます。起きるまで水分を摂取できないため、体はどんどん乾いていくばかり。暑い夏は熱中症のリスクも上がります。寝る前に必ず水分を取ってからベッドに入ることを習慣にしましょう。就寝中にお手洗いに起きても、戻ってすぐにまた眠れるようであれば睡眠の質にも影響はありません。
香りも睡眠の質を上げるキーアイテム。ある研究では、15日間ラベンダーの香りを嗅ぎ続けたところ、不安感が解消されて睡眠の質が良くなったという結果も。慣れない生活を余儀される中、不安が高まっている人も多いはず。ピローミストやナイトフレグランス、入浴剤など、ぜひ続けやすい形で取り入れてみてくださいね。
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私自身、今回お伝えしたような生活を続けて約10年、当時とは体力も幸福度も全く違います。今のほうが心身ともに若く、バイタリティーも体力も充分、何事にも自信をもって前向きに取り組めていると実感しています。
現在2人の子育てをしていますが、起きた瞬間からの即スイッチがオンになって、眠る瞬間まで一日中ずっと元気で疲れ知らずです。睡眠改善は習慣化させることが難しいのですが、実現できれば、日々の生活が今より前向きに過ごせるようになると思います。ぜひ1つでも取り入れて、違いを体感していただけたら嬉しいです。