乾燥性敏感肌を健やかに導くための成分「セラミド」。
名前は聞いたことがあるけどよくわからない…そんな方も多いのでは?
今回は乾燥性敏感肌で悩む人たちのために、初期の研究開発からキュレルの第一歩に携わった研究員・石田耕一さんに、セラミドについての詳しいお話を伺いました。
セラミドはスフィンゴ脂質と呼ばれる化合物の総称であり、皮膚では角層中で角質細胞間に液晶(ラメラ)構造をつくることにより、角層の潤い、バリア機能を保つために重要な化合物です。
そこで、セラミド機能成分*がスキンケアに用いられるようになりました。
* ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
花王は、1978年に食器用洗剤による手荒れをきっかけとして皮膚科学の研究を開始しました。
実験的な手荒れの再現のために有機溶剤による皮脂除去処理を5分程度行っていたところ、たまたま長時間の処理により、それまで見られなかった肌荒れが生じ、その際に除去された皮脂成分にはセラミドが多く含まれていることがわかりました。
皮膚表面の皮脂は皮脂腺由来ですぐに回復しますが、セラミドは表皮由来の脂質であるために回復に長期間を要し、肌荒れに関与していることが明らかとなりました。このことをきっかけに、セラミドの働きを補う成分の開発を始めました。
* ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
セラミドが皮膚角層での潤いを保つバリア機能に重要な働きをしていることが明らかとなり、スキンケアへの応用を考えました。
しかし、当時のセラミドは非常に高価で、汎用成分として配合することが不可能でした。そこで、セラミドの角層での機能を指標として、有機合成技術を駆使し、セラミド機能成分(保湿)*を独自に設計、開発、スキンケアへ製品への配合を可能にしました。
さらに、バリア機能が低下した皮膚や敏感肌などを対象に、皮膚科医の協力を得てスキンケア効果・有用性を確認しました。
* ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
セラミド機能成分(保湿)*は角層に浸透し、保湿成分として働くために、処方毎に適切な配合量を検討しました。また敏感肌向けスキンケア製品として開発。無香料・無着色・アルコールフリーとしました。
皮膚科医によるスキンケア効果・有用性の確認、すべての配合成分を厳選し、徹底した安全性の確認を行い、1999年にキュレルとして発売するに至りました。
* ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
乾燥性敏感肌はうるおいを保つ角層のバリア機能が充分に働かないことがあります。そんな時はセラミドケア*をおすすめします。
乾燥性敏感肌はもちろん、一見うるおってみえる皮脂でべたつくのにカサつくタイプの乾燥性敏感肌の方もバリア機能が低下しがちです。
* セラミドの働きを守り補い、潤いを与えるケア
潤って健やかな肌を保つために毎日セラミドケア*を行うことをお勧めします。季節の変わり目や冬季には特に念入りにケアをしましょう。
入浴や洗浄により保湿機能やバリア機能が損なわれがちです。潤いを守って洗える洗浄料を選び、肌を擦りすぎないようにしましょう。
また、入浴後には肌がうるおっているようにみえますが、その水分はすぐに蒸発し、乾燥状態になることがあります。それを防ぐために、すぐにセラミドケア*をしましょう。
* セラミドの働きを守り補い、潤いを与えるケア