「着る」にときめくためのボディケア

年齢を重ねるとともに「できるなら隠したい」と思い始め、次第に「隠せばいいか」と諦めが生まれ、「隠せるから大丈夫」と無関心につながり、やがて「もう、見せられない」……。仲間内でよく、二の腕の肌が話題に上ります。夏は特に、いや、最近では冬でも、一年中シーズンレスのアイテムが当たり前になって、本心を言えば、二の腕の肌を気にせずに着こなしたい……、でも、自信がないのだと言って。ここに、負のスパイラルのきっかけが潜んでいる気がしてならないのです。「隠す」ことで、意識が行かなくなる、ケアしなくなる、触れなくなる、そして……。いつからでも遅くないのだと思います。今こそ、このスパイラルをストップするとき！

二の腕だけではないのだと思います。「肌見せ」が大きなトレンドになっている昨今、ボディの肌に自信が持てたら、あんな服も着られる、こんな服も着られる……、と着こなしの幅がぐんと広がります。私自身、年齢を重ねれば重ねるほど、抜け感や軽やかさをもたらす「肌見せ計算」は、全体の印象の「洗練度」を左右する、とても重要なポイントだと感じています。さらに言うと、首やデコルテ、二の腕は、顔に近い分、つい、目が行きがちなパーツ。そこで、まずは顔に近い肌に、顔と同じだけの意識を向けることから始めたいと思うのです。自信がない人ほど、隠していた人ほど、意識を向けると、その差が顕著にわかるはずだから。

不思議なもので、デコルテの肌が整うと、深いVネックが着たいと思う。二の腕の肌が整うと、ノースリーブが着たいと思う。さらに、パールのネックレスを、揺れるピアスを、大ぶりのバングルをと、大人ならではの楽しみが広がるのを感じます。また、あるスタイリストの女性に、「ボディの肌が整っていたら、洋服や存在そのものまで、ランクアップして見える」と言われ、はっとさせられました。確かに。私のまわりにいる素敵な大人たちを思い浮かべて、改めて納得させられたのです。ボディの肌と服の関係に気づくこと。生き生きとした印象を手に入れる「きっかけ」はここにもある。新たな視点で自分を見つめると美容がもっと楽しくなるはずです。