カネボウ アイカラーデュオ
全15色 税込2,530円(希望小売価格)
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松本千登世さん
エディター・ライター
数年前、思い切って髪を切ったときの高揚感を今も鮮やかに記憶しています。鏡の中にいるのは、それまで見たことのない自分。ヘアスタイルが変わっただけで、顔の印象のみならず、表情や姿勢さえも、まるで違って見えました。
明日は、どんな服を着よう?明日は、どんな口紅を塗ろう?明日が早くやってこないかな?大人になってから忘れかけていた「どきどき」「わくわく」が全身を駆け巡るのを感じて、その夜はよく眠れなかったのを思い出します。
はっきりと気づかされました。それまで、年齢を重ねるほどに、どこか変化を恐れる自分が生まれていたこと。知らぬ間に、「年齢を重ねても変わらない自分」を追い求めていたこと。その裏側で、昨日も今日も同じに見える、変わり映えのしない自分に飽きていたこと……。つまり、私自身の心が止まっていたということに。
私同様、ヘアスタイルを大胆に変えた女性が、こんなふうに言っていました。「髪を切ってから、ファッションもメイクもまったく変わったの。それまでは何も考えなくても出かけられたんだけど、今は、服を選ぶのにも、眉を描くのにも、全身のバランスを見極めるのにも時間がかかる。でも……、それが思いのほか、楽しいの。自分に対する新鮮な気持ちが戻ってきた、というのかな?」
見慣れない自分を、あえて自分に見せる、その「違和感」こそが、心を動かし、自分を高める「トリガー」になるのではないでしょうか?ヘアスタイルだけではないのだと思います。例えば、ドラマティックなアイカラーを塗ってみる、例えば、大ぶりのピアスをつけてみる……、ほんのちょっとしたチャレンジから、自分が変わり始めるに違いありません。
私の場合、見慣れない自分が「今日、何を着よう?」という溜息を、「明日、何を着よう?」というときめきに変えてくれました。その差が積み重なって、未来を拓く、そんな気がしてならないのです。
息を呑むほど濃密で鮮明なカラー、計算し尽くされた2色の絶妙なコントラスト、瞼にフィットするテクスチャー……、大胆な彩りが目元に美しく映え、印象ごと研ぎ澄ます。
2024年4月9日
松本千登世さん
エディター・ライター