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日々の暮らしを豊かに、幸せに生きることは、実に些細なことの積み重ね。それを一つ一つ丁寧に行うことで、自分の気持ちの在り方と見た目の印象が変わってくる……そんな“下地”作りが、あなたを輝かせることにつながるのです。
齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト
毎日の下地……そう聞いて、あなたはどんな下地を思い浮かべるのでしょう。ファンデーションの下地? UVベース? 多くの人がまずそう思うのでしょうが、でも私たちの毎日に必要な下地は、それだけではありません。
と言うより、それ以前に人を輝かせ、幸せにする“毎日の下地”は3つあります。3つも? そう驚くかもしれません。でも、実はとても簡単なこと。むしろ簡単すぎるからこそ、誰もがうっかり忘れてしまいがち。今ここで思い出してほしいのです。毎日のルーティーンの中で、しっかり整えておきたい3つの下地。それだけできっと、1日を快適に過ごせるはず。そして気がつけば毎日幸せ。そのぐらい、些細だけれど大きなテーマなのです。
1日の始まりを、きちんと始めるために、実はとても重要なのがベッドを直すこと。不思議なことですが、これをやるとやらないでは、その日の生き方が変わってくるほど。
なぜならば、ベッドは“家に置いてくる自分自身”。夜、いざベッドに入ろうとした時、そこが思いっきり乱れていたら、自分にがっかりしたり、自分に対して恥ずかしい気持ちになるのではないでしょうか。
それが意識の中でわかっているから、朝起きがけにベッドを直せた時、それだけで自分自身が整う気がするのです。ホテルのベッドメイキングのように完璧である必要は全くなく、ただ見苦しくなければいいのです。日課にしてください。朝起きがけのベッド直し。生涯を通じて、これは生きる下地です。
姿勢が大切、なんて飽きるほど聞いてきたはずです。でも姿勢を正そうと心がけても心がけても、1分後には忘れていたりするくらい、身につきそうで身につかない。ただ年齢を重ねるほど、姿勢という下地がしっかりとしていないと、どんな服を着ても台無しなこと、改めて気づいてほしいのです。プロポーションの6割7割は姿勢で決まると言ってもよいほど。
一昔前は、下着の補正力で姿勢を整えていた人もいるのかもしれません。でも今や、下着の主流はリラックス系。補正するより、意識で正し、体に覚えさせるべき時代。背筋を伸ばすと体の中が浄化されるような、そして視界がすっきり開けてくるような気がすることも思い出してください。それが自分を正し、きちんと生きることに他ならないからなのです。
朝“最初のおはよう”を、家族であれ同僚であれ、明るく元気に言えると、その日1日前向きに過ごせることを知っていますか? 逆に理由なく、最初の挨拶をちょっと不機嫌に低いテンションで言ってしまうと、そのモードが1日続き不機嫌な人の印象を無駄に与えてしまうことも。
最初に自分から出てくる声のトーンが、その日のポジティブレベルを決め、その日最初に会った人に向けた表情が、1日の美しさを決めてしまうと言ってもよいくらい。つまり、朝の挨拶は、まさしく1日の印象の下地。朝からハツラツ、は生きる上でとても大切なことなのです。
もう一つ、今日の自分を作る大切な下地が、メイクアップベースでありUVベース。そもそも朝のメイク時、何をどう重ねればいいの? そう戸惑っている人がきっと少なくないはずです。
結論から言うならば、これからの季節は特にメイク時にいろいろ重ねたくない、なるべくシンプルに、でも確実な下地作りをしたいのです。
そういうニーズに応えるように生まれてきたのが、驚くほど多機能な化粧下地。朝のメイク時にしなければいけないことをまとめてこなしてくれる上に、くずれにくい、本当に頼もしい一品が……。
くずれにくいことによって、下地の様々な役割を一つ一つ高めてくれるという、うれしい美のスパイラルがそこに生まれているのです。
そういう進化した下地があると、気分よく1日を始められると同時に、ずっとキレイでいられるし、美しさも守れるという意味で、その日一日何か幸せな気持ちで過ごせるはずです。下地こそ本当によいものを! と言えるのかもしれません。
“下地”という言葉には、素質や才能と言う意味があり、だから「あの人は、下地がしっかりしているからきっと成功する」「彼女は下地があるから、きっとすぐ上手くなる」……といった言い方をします。同じように、優れた才能ある下地さえあれば、うまくいく……そういうこと。
【格言】
暮らしもメイクも
下地を整えることが美しく生きる第一歩。
毎日の“下地作り”が人を輝かせ、幸せにする
2023年4月17日
齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト