「あの人輝いてるね」そう言われる人はどんな人?  齋藤薫連載Vol.7

「あの人輝いてるね」そう言われる人はどんな人?

人が輝くって一体どういうことなのでしょう。目に見える輝きと目に見えない輝き、両方があること。その作られ方を解き明かします。

齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト

一番嬉しいのは、「あの人、輝いているね」と
誰かに褒められること

「とてもキレイ」「あの人、素敵」「すごくオシャレ」
いろんな褒め言葉があります。もしもあなた自身が褒められるとしたら、そもそもどんな言葉で褒められたいでしょうか。どんな表現で褒められたら一番嬉しいのでしょうか。

例えば「あの人、輝いている」そんな風に褒められたとしたら……。ある意味、褒め言葉として最上位にあるのが、「輝いている」という言葉。なぜなら全てを包括する、総合的な褒め言葉だから。その分だけ、力強い響きが感じられるはずです。

でも 人が輝くって、一体どういうことなのでしょう? 言うまでもなく、そこには2つの意味合いがあります。一つは、目には見えないはずの内面からの輝きを放つということ。もう一つは、目に見える本当の光を持つということ。どちらにしても、それは人として別格の美しさ。置き換えのきかない魅力であることは確かなのです。

ちなみに、“ラグジュアリー”という言葉……“光=ルクス”が語源のひとつとされていることを知っていましたか? そして日本語ではもっぱら豪華、高級という風に訳される“ラグジュアリー”ですが、本来は“華美な贅沢”ではなく、あくまでも“心地よい本物がもたらす精神的な贅沢”を指すと考えられます。

人が放つ光も、決してギラギラしたきつい光ではなく、見ていて心地がよくなるような柔らかい光。だからその人をとても優雅に穏やかに見せるはずなのです。

そして、目に見える光を放つ人は、多くの場合、内面からも穏やかな光を放っているもの。2つの光を併せ持つほど、人を心地よくする存在であることにも気づいてください。

元気な人の、活気や生気が
オーラのように人を輝かせる

まず、目には見えないはずの輝きについて。これは、言い換えれば生命感のきらめき。俗にいう、“生き生きした印象”です。言うまでもなく「活気にあふれていて躍動感があること。また、生気があってみずみずしいさま。まさにそうした生命感がもたらす、本来は目に見えないはずの生き生き感こそ、まるで目に見えているように感じるはずなのです。

じゃあなぜ、見えないはずの光を見えているように錯覚するのでしょうか。おそらくそれは、活気や生気というものが、一種のオーラのように人を明るく見せるから。体の中から人を明るく照らしているような印象、そう言ってもいいかもしれません。

元気な人は、細胞の一つひとつもきっと元気に違いなく、毎日朝の目覚めがよく、お腹からも声が出て、朝食もおいしく食べる。1日中ネガティブになったり不機嫌になったりすることがなく、機嫌がよく、何より笑顔が多い……そういう人は、ともかく見た目に輝いて見えるはずで、要は表情の明るさがそのまま見た目の明るさにつながるのです。笑顔の持つきらきらした表情が、そっくり光感に代わり、まるで本人が輝いているような印象をもたらしていると考えていいのです。

見える光は、マルチなスキンケアでも
進化したメイクでも再現できる

では、目に見える光とは? 言うまでもなくこれは肌そのものから放たれる輝きのこと。ただその要因は一つではなく、細胞レベルから健やかであったり、肌表面が本当にキメ細かくなめらかであったり、充分に潤っていて透明感が高いなど、いくつかの条件をクリアしないと生まれないもの。つまりは、マルチな働きかけでこそ生まれる“本当に美しい肌”の証としての輝き感と考えてください。

そしてさらに、ベースメイクでも肌の輝きは作れます。肌の自然な艶感や内からあふれ出るような輝きまで、今やベースメイクでも再現できる時代となりました。とりわけ昨今は、額や頬に艶を作るのがメイクの一大トレンドとなっていて、ベーステクノロジー全般の底上げ的な進化を物語ります。 

ただ、抜けるような透明感とともに内側からあふれ出るような発光感を生み出すのは、ベースメークにとって最もハードルの高いことの一つ。だからこそ、肌づくりの揺るがぬテーマとなっているほど。でも決して諦めないで。どんな肌質であっても、透き通るような光を纏うことは、ベースメイクにとっても大きな目標。それは肌の光が、人の気持ちまで明るくするような役割を持っているからなのです。

いずれにしても丁寧なお手入れを積み重ねること、ベースメイクの進化を見逃さないこと。自ら光を放つことにこだわり、自ら輝こうと心掛けるのは、最も効率のよい美容であることは確かなのです。

そして、目に見える光を持ちたいと願う人は、とても自然に目に見えない内面からの輝きも備えていくもの。「あの人、輝いているね」きっと、どこかでそう言われているはず。だからなおさら効率のよい魅力づくりの鍵、そう言えるのではないでしょうか。人が輝くことは、やっぱり何より尊い魅力の集大成、なのですから。

【格言】

「輝いているね」は、一番嬉しい褒め言葉。
だから自ら光を放とうと心掛けるのは、
最も効率のよい美容

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