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自分に自信がない、どうしても自信が持てない……そういう人に聞いてほしい。
それをネガティブに考えない、最も簡単な自信の作り方。
齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト
あなたは、自分に自信がありますか? 自分に満足していますか? と聞かれたら、何と答えるでしょうか。日本人は、ないと答える人が多いことは以前から言われてきたこと。実際ある調査は、諸外国に比べて日本人は自分を肯定的に捉える割合が低いことを伝えています。
日本人は謙虚で控えめ、その分だけ自己肯定感も低いという言われ方もしますが、そもそもそれはなぜなのでしょう。
また各国の高校生へのある調査においても、自分を価値ある人間だと考える日本の高校生は50%に満たないという結果でした。残念ながら、目立って自己肯定感が低いわけで、それって一体なぜなのでしょう。
ただ逆に、私たち日本人にしてみれば、他の諸外国の人々の自己肯定感の高さに驚かされるばかり。それも、ルールを重んじ、だからこそ何となくみんなと一緒でありたい、一人だけ浮きたくないという国民性が影響しているのかもしれません。また同時に、あまり自己主張をしないスタンスが、さらなる自信のなさにつながっているという見方もあります。
いずれにせよ、私たち日本人はもっと自信を持つべき、これだけは確か。
でも自信がないのは、100%悪いことなのでしょうか。例えば、「私は自分に自信があります」と言えないのは、無記名のアンケートであっても、どこかで謙虚さが出てしまうからではないでしょうか。逆に、いつでもどこでも“自信満々”であり続けるより、尊いことなのではないかという見方もできます。それは、客観性を持って自分を見つめていることに他ならないから。
さらに言うならば、常に自信満々だったり、自分に満足してしまっていると、そこで成長が止まってしまい、それ以上伸びないということにもなりかねない。そういう意味でも、自信がないのは必ずしも悪いことではないはずなのです。
そもそもが、毎日毎日どこへ行っても同じように自信があるというのは、逆に不自然なのかもしれません。むしろ、今日の仕事には自信があるけれど、明日の会議での発言には今ひとつ自信がない……そういう風にその場その場、その日その日で自信の量って変わるものなのではないでしょうか。自信がある日もあるし、自信がない日もある、だから五分五分、それでも良いのかもしれません。
だから、たとえ自信がなくても、毎日毎日新しい自信をその場で作ればいいのです。今日の会議を想定して、一言でもきちんと発言しようと、その内容を準備すればいいのです。
あらゆる準備は自信につながります。スポーツでも、練習がそのまま自信になります。そういう風に具体的に準備した自信は、人を裏切りません。逆に言えば、根拠のない自信を持って出かけるから、失敗するのです。
そうやって失った自信は、必要以上に人を不安にするはず。だからこそ、毎日新しい自信を作って出かけるべきなのです。
例えば、背筋が自然と伸びるような服を着ていくだけでも、その日の自信の大きな支えとなります。更にいうなら、丁寧にスキンケアをして、きちんとメイクをして、スキのない自分を作って出かけるようなことも、日々の自信につながるはずです。
だから、自信が欲しい日は、いつもよりも10分20分だけでも早く起きて、心を整えつつ美容をして、慌てることなく服のコーディネートをして、手抜かりのない身づくろいをしてください。そういうことが実はとても大切。寝坊をして、鏡の前にゆっくり座るゆとりもなく、家を飛び出してしまった日は、きっと自信がないまま一日を終えるはず。
だから自信はその日その日の分を丁寧に作って出かける。そうすれば結果として、365日自信を持って生きられるはず。
【格言】
準備していった自信は、自分を裏切らない。
だから根拠のない自信ではだめなのだ。
その日その日、新しい自信を丁寧に作って持っていく
2023年10月23日
齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト