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日常において、小さな幸せを感じられる時間を日々きちんと持っている人は、やっぱり日常を上手に生きている人。身も心も健やかな人。そんな視点で自分の一日を見つめ直してみて。
齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト
幸せにも2種類あるような気がします。自分の人生をざっくり俯瞰して見て、総合的に幸せかもしれないと思うような“大きな意味での幸せ”と、日常の一コマに感じる“小さな幸せ”とに分けられるのではないかと。
そして“大きな意味での幸せ”は、基準が曖昧だからこそむしろ移ろいやすく、私は本当に幸せなのかしらとしばしば私たちを悩ませます。でも日常生活の中の“小さな幸せ”は、まさにルーティンのように、小さいけれど日々安定的な幸せをもたらしてくれます。だからこそより大切な幸せ、そう言えるのではないでしょうか。
ただ、その“小さな幸せ”をいつどのように感じるのか、それは人によって、暮らし方によって異なり、そもそも丁寧に日常を紡いでいないと、“小さな幸せ”も生まれにくいと言えるのです。逆に言えば、だからこそ人は当たり前の日常を、大切に大切に生きてみたいのです。では、日々“小さな幸せ”が生まれるような暮らし方とは一体どんなものなのでしょうか。
まず、朝起きた時にもう“小さな幸せ”を感じることができる人は、身も心も健やかな人。例えば、窓から差し込む朝陽の清々しさそのものに幸せを感じることができるのは、美しいものを美しいと感じるピュアな感性の持ち主に違いないから。そして、目覚めたばかりの時間に、その日一日を楽しみにすることができるって、とても前向きな心を持っている人に違いないからです。
一方で、夜眠りに入る時に“小さな幸せ”を感じることができる人もまた、身も心も健やかで、心地よい生き方ができている人。たとえ疲れていても明るい心で自らを癒やすことができるし、また嫌なことがあっても、それを前向きなエネルギーでクリアすることができる人だからです。そういう人は、どんな日であっても心穏やかにベッドに入ることができるから。
つまり年齢も仕事も問わず、主婦であろうと学生であろうと誰であっても同じ、起きた時と寝る時と、まさに一日の始まりと一日の終わりに幸せを感じられることがとても大切なのです。もちろんそういう人は日中も、様々なシーンの中で“小さな幸せ”を感じ取ることができる人。だから朝と夜は、幸せな毎日の入り口であること、忘れないでください。
言うまでもなく、美容においても、朝と夜はとても大切な時間。美容のためにはよい睡眠を! と言われるのも、私たちの睡眠中にこそ、肌は美しさを育んでいくという考え方があるから。そういうイメージを持つと、夜寝る前の美容時間は心を弾ませながらお手入れができるもの。それも一つの幸せな時間。目を閉じた時から、美しさが作られていくと考えたら、ワクワクも止まらないのではないでしょうか。
そして、朝目覚めた時、いきなり手のひらで触れた肌がしっとりとうるおっていたり、鏡に映した肌がハリと明るさ、透明感に満ちていたら、それはまさしくかけがえのない喜び。朝起きがけの素肌は、言うまでもなく美しさのバロメーター。だからこそ、それはまたもう一つの幸せな時間となるのでしょう。
朝から肌の調子がよい日は、ファンデーションのノリもよく、一日中気分がよいと感じます。そして夜メイクを落とす時に、肌がツルツルなめらかだったら、その時もまたきっと“小さな幸せ”があるものです。朝と夜は、その意味でも一日で一番幸せな時間、そう言えるのではないでしょうか。
【格言】
朝と夜は、幸せな毎日の入り口。
日常を大切に生きている人ほど、
朝も夜も“小さな幸せ”に満ちている
2024年11月18日
齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト