柔らかい心と体で、しなやかに生きる人が美しい

歳を重ねるほどに、柔らかい心と体で、しなやかに生きる人が美しい

人はなんだか「柔らかくなりたい」そう願ってる……身も心も肌も柔らかく。
でもそれってなぜなのでしょう? 人と柔らかさの不思議な関係を、読み解いていきます。

齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト

こだわりは大切。でも決めつけはタブー。
柔軟な心こそが希望につながるのだから

人は年齢を重ねるほど、様々に決めつけが多くなります。ちょっと頑固になると言ってもよく、言いかえればこれは、人の意見を聞かなくなるということ。もちろん、自分流の生き方がいよいよ固まってくる時でもあり、こだわりある生き方はとても素敵。でも人の意見、異なる意見を聞かないというのはどうでしょう。

例えば、料理法ひとつ取ってみても、今や様々な常識のウソがあり、決めつけや思い込みでずっと損をし続けていることってきっと少なくないのでしょう。お米の研ぎ方も、昔ながらの常識は「水が透明になるまで米をこすり合わせるようにゴシゴシと研ぐこと」。でも精米技術が進化した今は「ゴシゴシこすり洗いしてはいけない。“旨み”と栄養の素であるデンプン層まで流してしまうから、お米は数回優しくなでるように研ぎ、すすぎは1回」が主流になっているとか。決めつけで損するってそういうことなのです。

同じように、心の持ち様でも様々な意見を柔軟に取り込むことで、長い間の悩みがすっと消えたりすることも。生き方においても、柔らかくスポンジのように物事を吸収する心を持っていると、どんどん希望の数が増えていく、そう言えるのではないでしょうか?

体のストレッチのように、
心もストレッチして柔らかい心身を

昨今、一生懸命のエクササイズよりも、大切なのはストレッチ、と言われます。体のあちこちをゆっくりと伸ばすストレッチによって、筋肉そのものの柔軟性が高まると、体全体の可動域が広がり、筋肉の緊張が和らいで血流やリンパの流れもスムーズに。だから体も軽く感じ、疲れも溜まりにくくなると言えます。

逆に言えば、体は柔らかくなるほどに動かすことが億劫でなくなり、するする動けるようになると、それだけで元気が増えていく……すると心まで明るくなったりするのを、経験したことがある人もいるでしょう。

そこは笑顔も一緒。あまり笑わなくなると筋肉が硬くなり、もっともっと笑えなくなり、いつの間にか、笑顔のない人になっていきがち。とても残念な話です。するとどうしても心まで硬くなってしまう。表情が乏しいと、心にまで負担がかかるのです。

そこで顔のストレッチは、いつもニコニコ微笑んでいること。体のストレッチとともに心がけてください。それが、心身のリラックスにつながり、いつの間にか幸せにつながっていくのですから。

肌が柔らかいと嬉しくなる。柔らかいことは、
いろいろ良いこと、と知っているから

では、肌はどうでしょう。触れてみて肌が柔らかいと、それだけで何となく嬉しくなるもの。それは、肌が美しく健康的であることを示しているからなのです。キメ細かくなめらかで、しかもなんだか澄み切って明るく見えることにもきっとつながると思うから。いろいろ良いことの証だと思うのです。

そもそも肌は、内側からうるおっていると自然に柔らかくなること、誰もが知っています。もちろんうるおいはすべての基本。肌表面がしっとりしていること以上に、深いうるおいを感じることができるから、柔らかいことに人は喜びを感じるのでしょう。

そして、きっとこんなこともあるはず。誰かに肌を触られて、柔らかく弾むようだと、まぁ、まるで赤ちゃんの肌みたいと言われるようなこと。赤ちゃんの肌のよう、と言われるのは、ある意味で最高の褒め言葉。生まれたての肌の柔らかさがどんなに尊いか、みんな知っているから。

肌の弾むような柔らかさは、指一本でわかること。その手指で触れた時の感触を毎日でも得たいからこそ、人は日々のお手入れで、たっぷりのうるおいを与えるのかもしれません。弾むような柔らかさを叶えることは、私たちの永遠のテーマなのですから。

【格言】

生きる上で、柔らかくスポンジのように
物事を吸収する心を持っていると、
どんどん希望の数が増えていく

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