ゆらぐって、どういうこと?あなたは、ゆらいだことがありますか?

「ゆらぐ」って、どういうこと?  あなたは、ゆらいだことがありますか?

心と体、そして肌における「ゆらぎ」とは何なのか? ネガティブなイメージが先行しているけれど、本当にそうなのでしょうか⁇ ゆらぎ本来の意味を改めて探っていきます。

齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト

ゆらぎって、そもそも何なのか?

ゆらぎという言葉にネガティブなイメージを持つ人は少なくないはずです。でもその一方で、実はもともと人を心地よく癒すような不思議な力があるのが、本来の「ゆらぎ」であること、まず知ってほしいのです。

例えばだけれど、赤ちゃん専用の「ゆりかご」は、文字通り穏やかにベッドをゆらすことで、赤ちゃんをあやしたり、寝かしつけたり。体がわずかにゆらされるのは、人にとってとても心地よいことの証です。

それどころか、地球上のあらゆるものは、ゆらいでいるとも言えます。自然界にはじっと静止しているものは一つもないと言ってもいいほど。例えば小川のせせらぎや、鳥のさえずり、そよ風、木漏れ日、ろうそくの光など、規則的なリズムと変化するリズムが合わさることで生まれる自然界に見られるゆらぎは、「1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ」とも呼ばれる癒しのカギなのです。
人間の心拍数や呼吸も、ある意味のゆらぎ。そういうものがどこかでシンクロするから、心地よいのだとか。つまり、ゆらぎは決してネガティブなだけのものではなく、人を優しく包み、安らぎをもたらす、とても大切な波動だということ、知っておいてください。

心も体も、ゆらがない人などいない

朝がくれば目覚め、夜がくれば眠くなる……24時間周期で覚醒と睡眠を繰り返すのは、体内時計のようなサーカディアンリズムが働くから。このリズムがゆらぎやすくなると言われるのも、地球の営みとのズレから。ただそれも、現代社会を生きていれば当然のこと。人の日常は小さなゆらぎとともにあると言っていいのです。

まるで月の満ち欠けのようなゆらぎは、人生の光と影のよう。すべてが順調な時もあれば、うまくいかない時もある。同じように、人の心も日々常にゆらいでいます。大きな買い物から、人付き合い、転職や独立、あらゆる意味の卒業まで、誰もが常に迷い、悩み、でも決断していきます。それ
も一つのゆらぎ。人生を前に進めていくうえでの大切なゆらぎと言えるのです。

そういう意味で、ゆらがない人などいない、ゆらがない生き方などないのです。逆に言えば、そうしたゆらぎがあるからこそ、人生は彩り豊かで趣深いものとなっていくのではないでしょうか。何も起こらない平坦な人生は退屈すぎるから。

じゃあ肌はなぜ、ゆらぎやすいの?

さて、あなたは肌に不調を感じることはありますか? 実に女性の3人に2人、男性の3人に1人が、一時的にでもゆらぎを感じることがあると答えています

それも季節の変わり目に感じることが多いとわかっています。そういう意味で昨今の夏の尋常ではない猛暑や、春や秋をあまり感じなくなっているドラスティックな気候の変化で、肌のゆらぎはより頻繁になってくるのではないでしょうか。

季節の変わり目はゆらいで当然と考えれば、ゆらぐことを想定したスキンケアも必要になってくるわけで、備えあれば憂いなし、慌てることなく適切なお手入れができると思うのです。

カギとなるのは、優しく洗うことと、十分に潤すこと。そしてできれば、ゆらぐ時間も受け入れることなのです。

そして、肌がゆらいでいる時こそ、心身への思いやりも大切。そういう時にこそ、自然界だけが持つゆらぎを意識して体感してほしいのです。それこそ家でもできる「ゆらぎの癒し」は、心地よい音楽を聴きながら、キャンドルに火を灯して、ゆらぐ炎をゆったりと眺めること。ゆらぎの共鳴こそが、安らぎを与えられること、覚えていてください。

※ 花王BRCC調査 2021年12月 Web調査 20~50代n=10,000

【格言】

自分がゆらいでいる時こそ、
自然界が持つ穏やかなゆらぎに身を委ねて。
ゆらぎとの共鳴が安らぎを与えてくれるのだから

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