“印象美人”って言われたい。雰囲気のある人って言われたい  齋藤薫連載Vol.11

“印象美人”って言われたい。雰囲気のある人って言われたい。

日常会話の中でも、よく耳にする「雰囲気のある人」。とても素敵な評価であり、客観的な褒め言葉としても素晴らしい響きを持っています。でも雰囲気のある人ってどんな人?改めて考えます、“印象美人”になる方法。

齋藤薫さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト

一度見かけただけで、
脳裏に焼きつく人がいる。
目指したいのは、そういう人……

美しい人はたくさんいる、肌もキレイで顔立ちも……。でも、一度見たら忘れられなくなるような人はと言えば、決して多くはない……そんな気がします。それは逆に、美しくあるのは今の時代それほど難しくはなくなったということ。だからこそ余計に、“一度見たら忘れられない人”が尊く見えるのです。

では、なぜ忘れられなくなるの?なぜ脳裏に焼きつくの?それは見たままだけではない、形のない、印象の美しさというものを宿らせているから。それは「雰囲気」と呼んでも良いもので、そこはかとなく湧き上がる、香りのような、気配のような美しさを持つからなのです。

でも本来目に見えないものが、なぜ街で目を惹き、脳裏に焼きつくのでしょう。実は印象や雰囲気って、目に見えていないようで見えている、結局のところヘアやメイクや服の着こなしといったものから、トータルに湧き上がるものだからなのです。

じゃあ結局は見た目?そう言いたくなるところですが、やっぱり単なる“見た目”とは違うもの。見た目そのものではなく、中身を伝える見た目。ひと目見ただけで、その人をもっともっと知りたくなるような引力を持った人こそが、印象美人であり、雰囲気のある人なのではないでしょうか。

もっと知りたい、雰囲気のある人って、
どういう人?

「あの人、雰囲気のある人ね」そういう会話は、日常的にもよく交わされます。誰もが感覚ではそれがわかっているのに、いざ雰囲気って何?と聞かれると、端的な答えが見つからない人がほとんどなのかもしれません。

ただ例えば、美しい髪色と美しい髪質も印象的で、ハッとするほど素敵な髪型の人って、それだけで雰囲気のある人に見えるはず。同じように、流行を懸命に追うわけではなく、あくまでさりげなくファッションにトレンドを取り入れている人からも、雰囲気がふわりと立ちのぼります。

それは言いかえるなら、“洗練された人”とも訳せるわけで、言ってみれば、そうした見た目から読み取れるセンスのようなものこそが、印象美であり、「雰囲気のある人」を作るのではないでしょうか。

さらに言えば、“知性をふんわりと感じさせる人”も、雰囲気が宿る人。いくつになっても美しい人は、やっぱり知性をほのかに感じさせるからこそ、そう見えるのです。年齢を重ねて、ただ外見が美しいだけでは魅力的に見えないのも、生きてきたキャリアの分だけ知性の裏打ちが必要だから。そういう意味では、知性もまた“雰囲気の正体”なのかもしれません。

じゃあ、メイクで雰囲気作りって
何をすれば良いのだろう

単なるフルメイクではなく、モードメイクと呼べるようなひと味違う個性的なメイクは、間違いなく雰囲気を生むけれど、ちょっとハードルが高いと感じる人がいるかもしれません。
実はナチュラルであっても、ちょっとしたこだわりやひねりによって難なく雰囲気のある人が作れることも、覚えていてください。

例えば、まつ毛が角度によってブラウンやグリーンなど、美しい色みを感じさせるような時、見る人をハッとさせる、それこそが雰囲気の生まれる発露と言えます。またその毛先が美しくカールされ、瞬きのたびに表情を持つような時にも、美しい印象が放たれ、それだけで雰囲気って生まれるもの。
そして、ふと伏し目になった時のアイホールの艶やかな立体感や、微笑んだ瞬間に美しい口紅の色や艶めきに目を奪われたりするようなこともあるはず。そこにもまた雰囲気が生まれるはずなのです。

それも、決してこれ見よがしではないのに、きちんと手間がかかっているから、さりげないけど印象深い、そういうメイクこそが雰囲気を持つのだと覚えていて下さい。

【格言】

見えないけれど見えている、ほのかに匂い立つセンスや知性こそが、
印象美であり、「雰囲気のある人」を作るカギ

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